「選ぶ」で選ばれている。
仲卸は、ただの「仲介業者」でも「中間業者」でもない。
たしかに、漁師のように、海で勝負しているわけでもない。
小売店のように、消費者の顔を直接みることもない。
でも、水産市場の「信頼」をつくるのは、自分たちだ。
質も量も値段も、日々変動するなか、いい魚を瞬時に選別して、いい値段で買う。
一鱗共同水産は、そのプロ集団。
生産者の水揚げした魚を、小売につなげて生活者に届ける。
目利きは、誰にも負けない。
―山田さんといえば女子スキージャンプの第一人者。入社前はどんなことをされていたか、教えていただけますか?
山田:札幌市で生まれ育って、小学校1年生の時に札幌ジャンプ少年団に入ってスキージャンプを始めました。今は女性ジャンパーが増えましたが、私が始めた頃はまだまだ女性が少なくて…。2008年のコンチネンタル杯で日本勢初優勝した時は本当に嬉しかったですね。その翌年、2009年3月に引退してからは、まだまだ知名度の低い女子スキージャンプの普及活動をスタートしました。女子スキージャンプ応援冊子『美翔女』を編集長として発行したり、2013年からは全日本スキー連盟の女子ジャンプコーチをしていました。最近では髙梨沙羅選手のパーソナルコーチを務めていました。
―そんな経歴がありながら「なぜ水産の仲卸会社に?」と驚かれませんか?
山田:まわりにも「嘘でしょ!?」と驚かれましたし、自分でも驚いています(笑)
―どうしてキャリアチェンジをして、会社で働こうと思ったのでしょう?
山田:ここ2年間くらいはいろいろと考えていて。理由の一つは、小学校3年生になった息子との時間をちゃんと作りたかったことです。
―なるほど、そうだったんですね。
山田:現役引退後はコーチの仕事を続けてきたのですが、遠征で1ヶ月家を空けることもざらで。息子といられる時間が限られていました。子どもが成長する中で一緒に過ごせる時間もそう長くないのかなと。40歳という年齢を区切りに自分のライフスタイルを見直すことにしたんです。
―一鱗共同水産のことはどのように知ったのですか?
山田:知人からの紹介です。一鱗共同水産の町田専務がスキージャンプの経験者でそのご縁でした。
―紹介を受けて最初はどのように思いましたか?
山田:水産は身体的にもきついし大変なのかなとか汚いのかなというイメージで。スーツなどキレイな服を着て一般企業に勤めるつもりでいたので、正直に言うと「紹介いただいたし、会うだけは会わせていただくか」という気持ちでした。
―それがまたどうしてこうなったのでしょうか?(笑)
山田:面接で町田専務と本間部長にお会いして話を聞いているうちに、新しいことや珍しいことにもいろいろ取り組んでいて、「スーツを着て仕事するより、こっちのほうが楽しそう!面白そう!」と思ってしまったんです。
―具体的にはどのあたりに?
山田:すぐに売上にはつながらないけど、長期的に業界全体のことを考えて、これまでの常識では考えられないような新しい取り組みをあえてやろうとしているところです。遠まわりで時間がかかっても、それがゆくゆくは信用を得て、業界のためになると考えているところに惹かれました。
―その後はどうしたんですか?
山田:本間部長から連絡をいただき、夜パフェの人気店を手がける『GAKU』さんと一鱗共同水産がコラボしてオープンした『一鱗酒場』にお誘いいただきました。そこでも本間部長の業界への想いをたくさん聞かせていただいて、興味津々になりました。
―それですぐに返事を…
山田:いえ、人生の一大決心なので、時間をいただいてすごく考えました。でも一鱗共同水産へと心が傾いている自分がいました。
―道を切り開いてきた「パイオニア」として、一鱗共同水産の姿勢に共感するところがあったのでしょうか?
山田:辛いことばっかりだったので「嫌だな」と思っていたんですけど、一鱗共同水産の取り組みについて話を聞いたら面白そうだと思ったので、やはり新しいことに挑戦することは「好きだったんだな」って思います。
―5月に入社して、現在はどのような仕事をしていますか?
山田:製品課に配属をされ、仕事についていろいろと学んでいるところです。他には本間部長とのチームで、SNSでの情報発信など広報に関する仕事をしています。将来的には採用にも関わらせていただく予定です。
―これまでのキャリアと全然違う世界に足を踏み入れたわけですが、入社して驚いたことやイメージと違ったことなどありますか?
山田:そうですね…言い方は悪いのですが、市場での仕事は頑張って力仕事をすれば誰でもできるのかなと考えていたんです。でも入ってみると実際には違いました。みなさんがその場所その場所で責任を持って、自分のいる場を守っていることに気付きました。「スペシャリスト」と呼べるような仕事でした。
―facebookページを拝見させていただきましたが、自由に楽しんで発信されていますよね?
山田:考えるのが面白いです。本間部長からは、「NGはお客様の悪口だけ。後は何を書いてもOK。何かあったら責任は俺が取る」と力強い言葉をいただいているので、自由にやらせていただいています。
―元々発信することは好きだったんですか?
山田:はい、好きです。現役の時からブログをやっています。コーチになってからは息子のことばかりですが(笑)。あと女子スキージャンプの紹介冊子をフリーペーパーで作っていたのですが、その中身も自分で文章を書いていました。
―最近はスタッフ紹介も始まりましたね
山田:会社について知るにつれ、魅力的な人が多いことに気付いたんです。一鱗共同水産にはこんな魅力的な人が働いているんだよ、そういう人たちがいるんだよということを伝えていけば、一般の人にも水産をちゃんと身近に感じてもらえるのかなと考えています。
―近いところで設定している目標などありますか?
山田:SNSのフォロワー数を増やしたいです。自分で達成感も味わいたいので。今年の年末までには300人いきたいです。
―広報としてこれから取り組んでいきたいことなどありますか?
山田:動画に挑戦したいなと考えています。SNSで「選魚職人への道」というテーマで情報発信しているのですが、今度は反対に本間部長がスキージャンプに挑戦するという企画を考えています(笑) それを動画で紹介できたらなと思っています。
▲ Facebookに『力仕事』というタイトルで投稿した動画。
「美味しいものを届けるって大変」入社したばかりの山田さんらしいコメント。
今後の変化も楽しみのひとつ。
―さきほど「選魚職人への道」という言葉がでましたが、山田さんが目指す「選魚職人」のイメージはどのようなものでしょう?
山田:小さな地味な魚のプロフェッショナルを目指したいです。魚というと大きなマグロが王様のイメージがありました。派手だしかっこいいなあと。小さい魚にはマグロのような華やかさはないけれど、人にあまり知られていないものも含めてすごくたくさんの種類がいるので、それが全部分かるようになったらかっこいいし、そこまでなれたらすごいなって思います。 魚に対する知識もたくさんつけたいし、魚の状態だけでなく市場の値の動きや世の中の状況を踏まえ、「これだ!」と見抜いて納得のいく仕入や販売ができるようになりたいです。
―魚はもともとお好きですか?
山田:刺身が好きです。特にブリ!
―アスリートの食事として魚はどうですか?
山田:いいです、めちゃくちゃいいです。お肉よりおすすめかも。
―ちなみにいまの勤務スケジュールはどのような感じですか?
山田:5時に出社し9時までは市場にいます。その後はオフィスに戻り、伝票処理やSNSでの情報発信などのデスクワークです。14時過ぎごろには仕事が終わって帰宅します。
―ということは、息子さんが学校から帰ってくるのを家で迎えられる?
山田:はい、「おかえり」と言ってあげられます。まだ陽も明るいので一緒に庭で遊んだり、BBQをしたり。夜も一緒に布団に入れます。私の方が先に寝ちゃうこともありますが(笑) これまで望んでいた生活がいまはできています。
―他にもここに入ってよかったことはありますか?
山田:社員食堂が美味しいこと。特にイカの煮物が美味しいし、ブロッコリーの茹で加減が絶妙なんです。
―一鱗共同水産への入社を考えている人たちに、メッセージをお願いします
山田:一生懸命頑張れば、やった分だけしっかり返ってくる会社だと思います。個人に裁量が与えられていて、魚をいくらで仕入れいくらで売るのか、自分で考えて判断ができる。そこが普通の会社員とはちょっと違う、この仕事の醍醐味だと思います。あとはやはり、仕事が早く終わるので自分の時間がいっぱいあることですね。
わたしたちの想いに共感し、ともに未来を作っていく仲間を募集しています。
詳しい情報はこちらをご覧ください。
一鱗共同水産株式会社
〒060-0008
北海道札幌市中央区北8条西20丁目1-20
TEL 011-621-4151
市場 TEL 011-631-5401