「選ぶ」で選ばれている。

 

仲卸は、ただの「仲介業者」でも「中間業者」でもない。

たしかに、漁師のように、海で勝負しているわけでもない。

小売店のように、消費者の顔を直接みることもない。

でも、水産市場の「信頼」をつくるのは、自分たちだ。

質も量も値段も、日々変動するなか、いい魚を瞬時に選別して、いい値段で買う。

一鱗共同水産は、そのプロ集団。

生産者の水揚げした魚を、小売につなげて生活者に届ける。

目利きは、誰にも負けない。

選魚職人。 選魚職人。

先輩社員の声

仕入も販売も売上も品質も
仕事は「毎日勝負」。

PROFILE

菅野 貢

営業部長(現取締役部長)。鮮魚部門を統括。入社以来19年、毎日勝負。自分から離れたお客さんの懐に飛び込み、直球勝負で信頼を取り戻したことも。「みんなでやる」ことを大切にしている。


若かりし頃は職を転々も。
30代後半で部長に抜擢!

―菅野さんは「営業部長」という肩書ですが、会社での役割はどのようなものでしょうか?

菅野:営業には大きく分けて鮮魚を扱う部署と、製品を扱う部署がありますが、私は鮮魚を扱う部署の統括をしています。主にマグロを担当しながら、鮮魚全体をみています。数字の管理やお客さんとのトラブル対応などですね。

―部下は何人くらいでしょうか?

菅野:20人ほどですね。下には太物課、大口課、近海課、高級1課、高級2課、開発課があって各課に頭を置き、そこにメンバーが所属していて、その全てを取りまとめています。私の上はもう役員です。

―入社して何年目になるんですか?

菅野:24歳で中途入社して19年目です。部長になったのは56年前。なぜなったかは分からないです(笑)。他に優秀な方がたくさんいるし、自分から手をあげたわけでもない。でもなったからには責任がありますので、自分だったらこうしたいと変えてきたことはあります。

―ここに入社する前はどのような仕事を?

菅野:営業職、建築系、トラックなどいろいろとやっていました。元々魚屋で働いていて、その取引先が今の会社だったという縁でこちらにお世話になっています。

―若い頃は仕事を何度も変えていたのに、そこから19年も共同水産一筋というのは、何か理由があったのでしょうか?

菅野:気づけばここまでいました。働きやすいというか、自分の性格に合ったんでしょうね。人と人とのつながりがすごく強い仕事ですから、お客さんに好かれればずっと続くし、嫌われればそこで終わり。そういう分かりやすい部分が自分に合ったのかなと。スパンと切るところは切っちゃうタイプなので。

信頼を少しでも失えば売上も失う。
市場で仕事をするうえで大切なこと。

―お客さんはどのような方たちですか?

菅野:バイヤーさんですね、魚を仕入れに来ている人たちです。量販店やスーパー、デパートも担当させてもらっていて、取引額が大きく大切な部分を任されているという自覚があります。

―仕事の大変な部分は?

菅野:市場を見てもらったら分かるのですが、自分たちのような仲卸は同業のライバルが多いんですよ。お客さんが他に行ってしまう可能性が常にあるわけです。だからミスができないし、緊張感があります。担当の人間にも目を配っておかないとね、何かあったときにすぐに対応しないととんでもないことが起きてしまう。

―お客さんを逃がさないために大切にしていることはありますか?

菅野:私の場合は声が大きいし体も大きいから目立ちます。もともとサッカーをやっていたこともあって元気。お客さんには直球でものを伝えていますね。市場という世界は狭い世界なので、嘘はすぐに見抜かれます。私が何かを1000円で売ったとして、「いやあれ、ほんとは700円だったよ」というのは市場内での営業ですからすぐお客さんに伝わるんです。信頼や信用が非常に大切な世界です。

―他にも時間を守るとか、ミスをしたらすぐ謝るとか…。

菅野:そうですね、会社として社訓に「毎日勝負」と掲げています。毎日の売上で数字が決まってきますので、お客さんからの信頼を得ることを心がけています。

―その点を普段から部下にも言っていますか?

 菅野:みなさんもともと私の上司でしたしね、立場上いまは私が部長をやらせてもらっていますけど、みなさん大先輩です。プロ意識をもってやられているので、特にどうのこうのということはないです。いつもは任せっきりで、何かがあった時だけ私が出ていくようにしています。

自由に働きたいなら市場へ!
昼に帰れるのも魅力のひとつ。

―「毎日勝負」という中で息抜きも必要かと思いますが、休みの日は何をしていますか?

菅野:子どもがサッカーをやっていたので、小学生の頃は嫁さんとよく一緒に見に行っていましたね。最近はゴルフをしてリフレッシュをしています。平日は朝が早いので飲みにいけませんが、土曜の夜には誘われたら行っていますね。

―朝はとても早いですよね?

菅野:朝が早くて帰りも早い、というのがなんといってもこの仕事の魅力です。普通のサラリーマンが1920時に帰ってやれることは限られていると思うんですよね。我々は明るい時間に帰れるので、中には平日の昼間からゴルフをしている社員もいますし、夕方にサッカー少年団のコーチをしている同業の仲卸の社員もかなりいます。プライベートの時間は本当に使いやすいですね。

―だいたい出社は何時頃ですか?

菅野:3時ごろです。私はマグロの解体ショーなどもあり帰りが遅い分、朝ももう少し出社が遅いですけどね。仕事が終われば昼前に帰る人もいますよ。子どもの発表会や運動会は土曜日が多いと思いますが、その場合も早くきて段取りを済ませれば、67時に帰ることもできますからね。拘束時間はないです。

―かなり自由なんですね!

菅野:そうですね、働き方はだいぶ自由だと思います。例えば工場のように何時から何時まで働いて、はい30分休憩、はい1時間お昼、というのはありません。市場内の決められた場所であれば煙草を吸うのも自由、コーラを飲もうがお菓子を食べようが自由です。お客さんと煙草を吸いながら、あるいはジュースを飲みながら会話や商談というのも一つですからね。

―勤務時間をどう使うかというのは、個人に任せているんですね。

菅野:そうです。ノルマも個人にはなく、4人~5人の課としてチームとして、みんなで目標に向かってやっていくスタイルです。

―チームとして売上目標を追う上では何を大切にされていますか?

菅野:会話です。チームの中でしっかりと会話をする。縦のつながり横のつながりを大切にする。みんなでやる。悩みを一人で抱えない。このあたりは私が部長になってからとても重視してきたことです。共同水産という社名にあるように「共に同じ」。それだったらみんなでやろうと。 

―働きやすい環境を作る上で、心がけていることはありますか?

菅野:プライベートの充実です。休みをしっかりとってもらうことを大切にしています。今年からは4連休という形をとって、例えば旅行に行ってもらいやすくすることも制度として取り入れます。先代の会長もいまの社長も、儲けたら儲けただけみんなで分配するという会社ですから、すごくやりがいがあるし働きやすいと私は思います。

真剣に怒られて気付いたこと。
プロとしての働き方とは?

―菅野さんが会社に入ってから今までを振り返って、1番の失敗や人に迷惑をかけてしまったなということはどんなことですか?

菅野:まだ若い頃ですが、お客さんを怒らせてしまったことがありました。頼まれたことをちゃんと聴いておらず、間違ったものを納めてしまいまして。お客さんの方から「お前にはもう頼めないな」と言われ…。すぐにお店に行って謝りましたがすごく怒られました。でもそんなに怒ってくれたのは期待の裏返しだということが分かったので、それ以降「信頼を裏切れない」という想いをさらに強くするようになりました。

―反対に「あの時はいい仕事したな!」というような、思い出に残っている仕事はありますか?

菅野:自分はマグロの解体ショーもやっているので、プライベートでも声をかけられたりすることがあるんですね、街を歩いているときとか。ディズニーランドでも「マグロのおじさんだ」って声をかけられたことがあります。そうやって消費者の人に声をかけられるというのは、自分が納めたマグロがちゃんと家庭にまで届いているということなので、だからこそ毎日勝負で、毎日裏切れないですよね。

―やはり「毎日勝負」なんですね。

菅野:例えば時化(しけ)れば市場には何もないです。セリもない。天気予報を見るなど、先を予測する中でやっていかないといけない。一週間後が時化そうなら、事前にたくさん魚を買っておかないといけません。例えば量販店のお客さんがチラシを組んでいることがある。そのときに「いやいや、時化だからものがないよ」というわけにはいかないですよね。商品がなければお客さんが困ってしまう。だから常に先を見た仕事をしないといけないんです。みんながプロになってもらわないといけません。

―お客さんからしても、そのあたりの情報をちゃんとくれて、手を打ってくれる仲卸さんは信用できますよね。

菅野:そうですね、そんな時にお客さんから「買っておいてよかった、お前の言った通りだね」と言われたら、達成感を感じます。

―話は変わって、マグロの解体ショーはどのくらいの頻度でやっているんですか?

菅野:月に半分ほど、だいたい15日ほどです。札幌だと丸井今井さんや大丸さん。月に1度や2度は帯広や函館にも行きます。チラシにも乗るし看板を作ってくれているところもあります。マグロは華のある魚で、お客さんにはたくさん売ってもらいたいので協力させていただいています。

―これから若い新人が入ってくる機会も増えると思うのですが、どのように迎えたいですか?

菅野:「一緒にみんなでやっていこうよ」ということですね。世代ごとの考え方や感じ方の違いは確かにありますが、私自身も息子がいるので今の子にはこういう風に接しなければいけないというのが分かります。昔は「見て覚えろ」という世界でしたが、いまは違います。若い仲間にどう声をかけてどう教えていくのかを、自分たちも勉強しないといけません。

―会社のこれからについてはどのように考えていますか?

菅野:厳しい時代なのは間違いありませんが、それだけ言っていても落ちていくだけです。守りも大切ですが常に攻めようという気持ちを持っています。うちの会社には幸いにも後継者がちゃんといますので、3代目が社長になる時に彼に何を残せるのか、上司である常務ともよく会話をしています。

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